デザインとカメラの成功、そしてそこから得たお金がヴィクターの会社を大きくした。
開発は続き、新しいデザインも発明された。各ステップにおいて、
ヴィクターは自分の広いネットワークと写真家としての経験を駆使し、インプットと受けたアドバイスを取り入れた。

1957 年にハッセルブラッドは画期的な製品であるハッセルブラッド500Cによって初代のカメラに続いた。
この画期的なカメラは中央リーフシャッターのレンズと 全てのシャッタースピードにフラッシュ同調が装備されていた。
そして1954年のハッセルブラッドSWAに続いてワイドアングルのハッセルブラッド SWC(1957年)と
モーターによって動くハッセルブラッド500EL(1965年)と続いた。

これらのカメラは何年もの間、ハッセルブラッドのシステ ムのベースを形成した。
システムの裏にある基本的な哲学である調整のしやすさ、オールマイティーさと
信頼性がハッセルブラッドの製品ラインを50年以上も導いた。

ハッセルブラッドの方法は多くの人々によって真似され模倣されたが、同じものにはならなかった。
ハッセルブラッドの名前は最高の信頼性と画質を持 つカメラの代名詞になった。



NASAの若き宇宙飛行士が1962年にハッセルブラッドを宇宙に持っていった影響で評判はさらに高まった。
これが【宇宙におけるハッセルブラッド】 世界最大の航空宇宙局との長い付き合いの始まりだった。

1969年にハッセルブラッドの宇宙進出はアポロ11号まで続き、また、人類が初めて月に降り立った時の写真
とアームストロングとアルドリンによって月か ら捉えた地球の姿も500EL/70によって撮影されている。
写真の歴史の中でこれほど有名そして影響力のある写真は他にあるまい。
そして、ヴィクターと エンジニアたちは地球上で販売するカメラに宇宙用カメラで使用した機能や改良を付加えた。
世界は彼の実験場であったが、今はその実験場も範囲が広がっ た。